プレミアムエイジ ジョインブログ
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エピソード(3)

メーカーの役員さんが、僕等の計画(分散型オンラインの全店敷設)を心配して、当社を訪ねて来てから数ヵ月後、今度は業界リーディング・カンパニーのシステム部門からN課長のところに電話があり、当社のシステム計画について、支障のない範囲で聞かせて貰えないかとの依頼が飛び込んだ。

多分、メーカーから一定、当社のやろうとしているシステムについての情報が入り、聞いてみたいとなったのではないか。N課長が、そのことをF部長に伝えたところ、Fさんは「全部教えてやれ。システムの現物を見せても良い。我が業界のシステム水準が低過ぎるからな。底上げを図るには、リーディング・カンパニーが先頭を走らないといけないのだ。但し、他の会社には話すことも、見せることもまかりならん」と仰る。

また、僕等は戸惑う。以前はFさん、「システム競争上、使えるお金も人も少ない当社が大手社に勝つには、彼等より遙かに安い方法でシステムを作らないといけない。だから分散型オンラインに挑戦するんだ」と言ってた筈。

その点を突くと、「俺も日々成長してるんだ。昨日の俺と今日の俺は違う。昔俺がどう言ったかなんて知らん」とそっけない。ご本人は皆まで言わないが、最大手社のシステム部門に僕らのシステムを開示しても良いと判断したのは、1つには、今から真似しようとしても、彼等とて同じ時間を要すること、2つ目には、これからもFさんの頭の中にあるものをどんどんやって行きたいが、そうすると常に経営陣やメーカーから「大手社もやらないことを何故やるのか?」との質問にぶち当たり、それにいちいち答えなくてはいけないことに辟易としていたから、ではないか。

僕等はリーディング・カンパニーのシステム部門の来訪を快く受け入れ、分散型オンラインの全てを見せ、説明してやった。口々に「OSまで自分達で作ったのは凄いこと」「こういうシステムを作ってみたかった」「ミニコンを採用した金融機関なんて皆無だと思うけど、良く経営が了解しましたねぇ」などなど、驚きをもって感想を漏らした。その後、僕等も彼等の会社を訪れ、開発中のシステムのデモを見せて貰ったり、意見交換を行なった。ライバル社のシステムが分かった。

昭和59年、全国展開が終了した時点で、業界紙に、ニュース・リリースしたところ、当社に見学に来た業界大手の一行の責任者から僕に電話で、「あの記事で、今、副社長からとっちめられて来たところです。お陰様で弊社のシステム部門は大変なことになっていますよ」と言って来た。「それはそれはスイマセン。皆さん方には内容を既にお伝えしてたので、発表しても、御社では問題ないと思っていましたのに」と答えた。

「はい、それは助かりました。副社長にも、御社のやられたシステムの内容は掴んでいたのかと、情報収集能力を指弾されそうになったのですが、既に見せて貰っていましたので、旨く切り抜けられたんですが、如何せん当方、まだ御社が既に実施された営業店事務のオンライン化計画が出来ていなかったものだから、こっぴどくやられてしまいました」とのこと。

僕は、「当方も、御社や他社のシステムの記事が出ると、うちはどうなってるんだ、と偉い人にやられること、度々ですよ」と「お互い様」をそれとなく匂わせた。そしたら「大急ぎで営業事務のシステム化計画を纏めないといけないので、近々、先駆者の皆さんのご助言を賜りに伺いたいのですが」とのことだった。勿論了解したが、競争と協調ってどう線引きしたらいいんだろう・・・?

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