引退
元巨人の桑田が引退を決めた。39歳でなお大リーガーへの道に挑戦した彼のひたむきさは賞賛されて良い。そして開幕メジャー入りが叶わず、スパっと引退を決意。マウンドの上にボールを置く写真をテレビや各紙が伝えた。カッコ良い。
高校時代からの仲間でライバルだった清原のコメントがまた良い。「自分の中の心の中のエースは、矢張り桑田です。彼が引退すると聞いて身体の力が抜けてしまった。でも、言ってやりたい、カッコ良かったよって」。
多分桑田は去年審判とぶつかって怪我をした時、決めたんだろうな。このまま終っても誰も反対する人はいないけど、自分がメジャーに挑戦したことの結果はまだ出ていない。手術して、来春もう一度チャレンジして、それでダメだったら潔く辞めると。
オープン戦でそれなりの結果は出していたものの、残念ながら開幕ベンチ入りは叶わなかった。彼は晴れ晴れとした表情で「ボールを置く時だと思いました。野球は沢山の楽しいことを僕に与えてくれました。今日まで野球を続けられて幸せでした」とインタビューに答えている。
引退する時、淋しさや残した思いを全く感じさせず、これ程爽やかな引退表明は例がないのではないか。テレビを見ている者をも気持ち良くさせるし、桑田という人物を見直した人も多いのではないかと思う。
桑田の引退に過剰に僕が反応するのは、何を隠そうこの僕も3月末に退職するからだ。退職を決意したのは正月明けだったが、正直淋しくないと言えば嘘になる。39年間やって来た会社生活を離れて自分に一体何が出来るだろうか、いや、その前にお前は一体何をしたいのか、不安に対する自問自答が続いた。とても桑田のようには行かないものだ。
しかし、一昨日、100名ほどが集まって開催してくれた大送別パーティーの席上で、39年間のいろいろなゆかりの人達からスピーチを頂いている内に、感激しながらも、「いよいよ本当に辞めなきゃいけないんだ」と覚悟が固まって行く自分がそこにいた。
毎年4月1日に新入社員を迎える側の私は、「入社式は皆さんを歓迎するための儀式だが、実は皆さんに、それまでの学生生活に完全に決別して貰うための儀式の意味の方が大きい」などと話して来た。しかし、同じことは退職送別会でも言えると思った。「会社に完全に別れを告げる覚悟をするための儀式」だと。
最後に僕が皆さんに感謝を込めて挨拶した時は、淋しさも残した思いも消え、爽やかに気持ちを切り替えて、前向きに人生の第2幕に向かって行こうと決意していた。
皆さんこれまでありがとうございました。そして、これからも宜しくお願い致します。


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