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ゴルフ旅行

僕は、直ぐ下の部下であり仲間であり同僚のY君・H君と、Fさんを励まし、一緒に温泉にでも浸かってワイワイがやがややる、気分転換の旅行を計画した。

土日の一泊温泉旅行だが、土曜日は朝早く行ってゴルフをやったあと、旅館に入って大いに盛り上がろうという計画だ。行き先は山梨。車ではなく中央本線を列車で行く団体旅行の趣にした。

Fさんも、現役時代、そんなにゴルフはお好きでないのか、あまりやられなかったが、この時は僕等に付き合ってくれた。快晴。五月晴れ。スコアは兎も角、天候に恵まれ気持ち良かった。そして、本当に久し振りにFさんとご一緒出来たことが嬉しかった。

旅館に着くと、ゴルフをやらない人達も既に全員が揃っていた。Fさんの弟子達総勢12~13名が集まった。温泉に浸かったあと宴会。一人一人順番に近況報告などをしながら会を進めて行ったが、各人とも、Fさんに久方振りにお会い出来て嬉しかったこと、Fさんにはあの時大変お世話になったと思い出話は語っても、決してご子息のことには触れなかった。

途中からはあちこち勝手にお酌しながら話し始めたりで、とても収拾が付かない様相になったが、最後にFさんが挨拶された時は再び宴会場に静寂が訪れた。「今日は本当にありがとう。会社を辞めてから随分経つのに、こういう会に呼んで貰えるというのは、現役の皆さんには分からないだろうが本当に嬉しいものです」。

「そして、誰も言わないが、倅の死から早く立ち直れと言う皆さんの励ましの気持ちが痛い程伝わって来ます。あれから1年以上が経ち、我々夫婦もやっと彼の死を正面から受け止められるようになりました。皆さんにはまだまだ会社で頑張って貰わねばならないので、くれぐれも健康には留意して精進して欲しい」と締め括られた。

このゴルフ旅行がキッカケとなり、年一回の定例会にしようとの声が高まり、4~5月頃に毎年、Fさんを囲むゴルフ旅行が開催されるようになった。この会をずっと続けるためには、Fさんがいつまでもお元気でゴルフに参加して頂くことが必須条件だから、メンバーは全員、Fさんのご健勝を心から祈っている。

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