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電車の席

昨日、久し振りに仕事のことで渋谷に出向いた。その途上、電車の中でのこと、午後4時過ぎだったから、まだ、ラッシュではなかったが、学校の帰りなのだろう、様々な制服の高校生が大勢乗っていて、立っている客が結構多かった。

僕も、車両の一番隅に立って本を読んでいる。僕の隣には年の頃70過ぎと思われる白髪の男性がやはり立っている。その男性の更に隣には女子高生が立っていて、目の前の席に座っている仲間の女子高生とある先生のしでかした失敗談に興じている。

次の駅に着いたところで、白髪の男性の前に座っていた主婦らしい人が、降りるために立ち上がった。そしたら間髪入れず、その隣に座って話に夢中になっていた件の女子校生が一つ席をずれ(白髪氏の前にすれ)、立っていた友達を座らせたのである。しかも話を続けながら。

どうなってるんだ今時の高校生は、と思って、白髪氏を見たら目が合った。その目が「呆れたね」と苦笑い。多分自分の顔も同じだったに違いない。女子高生2人は、何も感じず相変わらず話に夢中だ。

言うかどうか少し迷ったが、大人の責任を感じて注意した。「君たち、自分達が座るんじゃなく、お年寄りに席を譲るべきだろう!」。

突然注意された彼女らは、状況を飲み込むのに少し時間が掛ったみたいだが、白髪氏を見て理解したようで、2人とも席を立ち「どうぞ」と白髪氏に声を掛ける。

問題はここから。2つも席が空いたのに、白髪氏は座ろうとしないのだ。「いや、立っていたいから」と言う。更に「どうぞ、どうぞ」。「いやいいよ」。次第に女子高生達はいらついたのか、「折角こうして席を空けたんですから、座って下さい!」と少々強いトーンで白髪氏に迫る。白髪氏は無言でその場から立ち去って行った。

こうなると、僕は結果的に余計なお節介焼きとなってしまう。女子高生達は「空いてるんだから座ろうよ」とか言いながら再び座席に腰掛けた。そして僕の方をちらちら見ながら「あー、今日は最悪。気分悪る~」と髪の毛をむしる仕草。

それにしてもあの白髪の紳士、座らないわ、どこかへ行っちゃうわ。何で?「お年寄りに・・・」と僕が言ったのが気に入らなかったのかな。それじゃぁ彼にとって、僕の言動は、あの女子高校生の行動と同じレベル、同じように気に障ることとなってしまうでしょうが。

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