電車の席(その2)
何稿か前に、電車の中で年寄りを無視して座ってしまった女子高生のことを書いたら、偶然にも朝日新聞の読者投書欄で、似たようなことが取り上げられ、殆ど毎日、賛成反対の意見が載っているから可笑しい。
新聞投書で問題となった車内の場面は、僕が目撃したのとは少し違う状況のようだ。30代後半と思われるお父さんと幼い男の子とが、席が空いていなかったので、座席の前に立っていた。
その内男の子が、くたびれたの、座りたいのとダダを捏ね始めた。お父さんは一度子供に「静かにしなさい」と注意したが、男の子の喚きは収まらない。それが永遠に続くかと思われた時、お父さんの隣に立っていた男性が、「うるさい!!!」と大きな声で一喝した。
男の子は勿論、周囲で談笑していた人も含めて、全員、シーン。騒々しい車内が一気に水を打ったように静かにはなったが、みんな居心地が悪そう。
次の駅に着き、何人かが降りた。その中の一人、年配の婦人が一喝した男性に「子供というのは言うことを聞かないものなのよ」と、少しくらい我慢しなさいと忠告をして去った。
これに対して、毎日のように賛成意見と反対意見が新聞に投書されているのだ。一喝した男性には、賛成意見として、「みんなが迷惑してる時に良くぞ一喝してくれた。悪いのは父親だ」という意見。反対意見では「小さい子供の行いに直ぐキレる大人こそ怖い」。
注意した婦人に対しては「今の日本は、子供の躾が出来ない親が問題になっているのに、周囲が甘いだけで良いのか」「子供を育てるというのは大変なこと。そのことに対する理解の無さが少子化を招いた。もっと子供や子育てに理解ある社会になる必要あり」等々。
僕は、よっぽど疲れていない限り、目の前で小さい子供が「座りたいよ」と愚図ったら、いや、目の前に幼児が立っただけで、席を替わると思うし、60年間の経験で言えば、そのことは殆どの人にとって当り前だったと思う。
なのに、座っている人の誰もその幼児に席を譲らなかったことの方が、今の時代の世相を映し出しているようで不気味だ。
皆さんはどう思われますかねぇ?


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