星野バッシング
星野ジャパンが帰国した。テレビ・ニュースで見る限り、どの選手も硬い表情で無言のまま通り過ぎて行く。日本中から金メダルを期待されて臨んだオリンピックの舞台。それが4勝5敗という惨憺たる成績で、メダルどころか負け越しての帰国だから無理もない。
僕は、誰ぞ、生卵でも投げ付ける輩がいるのではないかと心配しながら、テレビを見ていたが、何も起きなかった。国民性とは言うものの日本で良かった。サッカーで負けた南米のチームは、全員揃って堂々と帰国しようものなら、何をされるか分かったものではない。
別々の便で目立たぬようにこっそり帰るのだそうだ。場合によってはほとぼりが冷めるまで帰国しない選手もいると聞く。何回か前のワールドカップで、間違ってオウンゴールをして負けた南米の選手は、怒ったファンに殺されてしまったくらいだから。
そこ行くと日本のファンは優しいし紳士的だ。武士の情けというやつか、「負けた本人が一番辛いから」とか「一生懸命やったんだから」とか言って、終わってしまったことをグダグダ言っても仕方ないと諦めてくれる。
だが、新聞・テレビ・雑誌での星野ジャパンに対するバッシングは容赦ない。プロ野球のOB連中が一斉に非難し始めた。曰く、
「仲良しグループの監督・コーチを組んだ時点で、ありゃダメだと思った」
「長嶋ジャパンだ星野ジャパンだと、監督が目立ち過ぎる。主役は選手なのに」
「予選であれだけ打たれた岩瀬を、準決勝でも3位決定戦でも懲りずに使っては
打たれる。星野は一体何を考えているのか」
「短期決戦なんだから、大黒柱でない限り不調な奴は使わないのは鉄則。復調を
待つなんて悠長なことを言ってられないんだから。岩瀬・GG佐藤・村田なん
かにどうしてあれ程拘るかねぇ」
「アメリカは大リーガー1人も出ていないんだろう?2軍相手に一度も勝て
なかったって訳か」
「プロのスポーツ選手なのに、プレッシャーに弱いのが多かったね。お前達、
それでもプロかって言いたいよ。北島康介みたいなのが2~3人欲しかったな。
代表に選ばれなかった方には何人かいるけどな」
「星野がおかしいと思ったら、田淵も山本も強く言えよ。コーチャーズ・ボッ
クスにただ突っ立ってりゃ良いってもんじゃないだろが!」
星野ジャパンに失望した一般のファンの思いを代弁してくれているから、マスコミの星野バッシング記事が売れるんだろうね。そうしてみると日本のファンは、本心では決して紳士的でもなく、武士道精神に溢れている訳でもない、らしい。


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