プレミアムエイジ ジョインブログ
Random header image... Refresh for more!

士は己を知る者のためにのみ死す

昨日、僕が尊敬するある男について書き上げた原稿が、パソコン操作の誤りか何かで、完全に消えてしまった。同じようには二度と書けない。頭に来て1日放っておいた。紙と違って跡形もなく消え失せてしまう上に、人のやる気をも消滅させてしまうのだから、ITというものはとんだ食わせものだ。

だが日も変わって腹立たしさも幾分治まったので、今また、もう一度チャレンジすることにした。

彼JTは、20年ほど前、同じ会社の新宿支店長だった。その頃偶然にも、同じ東京営業部の中に、日本橋支店長のJMと港支店長のJSがいて、いずれも将来を嘱望される若手営業マンとして頭角を現した3人が活躍していた。いつからか人々は、このやり手3人組を「3J」と呼ぶようになって行った。

3人はほぼ同じ年齢で、互いに良きライバル・良き友人であった。そこにA氏という彼等より5~6歳年上の、パワフルで人間味溢れる男が、従来の営業組織とは全く別に、新しい形体の営業組織を作る目的で現れた。

公私共の付き合いを通じて、A氏は3Jの兄貴役のような存在になって行った。特にJTは、A氏は将来社長になる人物ではないかと思うようになり、そういう人物と共に仕事が出来ることを喜んだ。「A氏をいつか社長にする」というのがJT自身の夢となって行った。

そして、10年後、A氏はJTが見込んだ通り社長に就任した。その頃は時代が大きく変わろうとしていた時で、従来の会社運営では立ち行かなくなることが明らかとなっていた。

A氏は、次の時代に生き残れる強い会社作りを最大課題に掲げ、会社改造に大ナタを振るわなければならない。当然ながら思いを共有し、改革に大いに力を発揮するであろう3Jを、夫々の柱に据えた。

僕はJTの直ぐ傍で、彼の意気込みと活躍、更に言えば、各方面への嫌われ役をも買って出る姿を見、ある種の感動をもって一緒に戦った。僕にとって彼の真剣な姿がとても新鮮に映ったのだ。

それは、単にA社長のためには水火も厭わずというのではない。僕が驚いたのは、A社長に対して何憚ることなく直言する姿だった。A氏には単なる社長ではなく、会社の歴史に残る大社長になって欲しいという彼の願いの成せる技だと思った。

A社長の方も、兄思いの弟の言として、素直に受け入れているように見えた。この時のJTを見て、僕は古い言葉を思い出していた。「士は己を知る者のためにのみ死す」。

0 comments

コメンはありません。

下記のフォームへの入力が必要となります。

コメント欄