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兵庫の旅番外編(1)

今回の旅の2日目。僕等団体ツアーは姫路城を見学した後、バスで兵庫県の北、但馬地方の出石(いずし)を目指した。

この地は「出石そば」で有名らしい。蕎麦は元来寒い地域の、それも瘠せた土地の特産品だ。そういう所では何とか栽培出来るのは蕎麦くらいなものだから、蕎麦どころは北国に多い。一般に名古屋以西の温暖の地では、蕎麦よりも「うどん」が美味しい地域なのに、何故この地で蕎麦が有名になったのか。

バスガイドが説明してくれた。江戸時代に、信州の千石氏が出石に移封された時、蕎麦が大好きだった殿様が、信州から大勢の蕎麦職人を引き連れて行ったことが始まりだという。

僕は、長野出身だ。長野市からバスで1時間ほど行くと、戸隠山がある。その麓はキャンプ場ややす宿が沢山あったので、高校の頃は良くサークルの合宿に使ったり、仲間とキャンプして過ごしたりした思い出の地だ。

その戸隠で初めて食べた蕎麦が、育ち盛りでいつも腹を空かしていた高校生にはこの世の物かと思える程美味しく、一気に何皿も食べた記憶がある。

子供の頃は、蕎麦なんて旨くも何ともない大人の食い物程度にしか思っていなかったが、蕎麦ってこんなに旨いものだったのかと驚きをもって再認識した瞬間だった。以来、45年、僕の蕎麦好きは不変だ。

蕎麦と言えば、恥ずかしながら「更科そば」の意味を最近まで知らなかった。信州出身なのに・・・。

信州更級(さらしな)出身の布屋太兵衛が保科家の勧めで江戸麻布に蕎麦屋を開いたのが始まりで、「更科(さらしな)」は、蕎麦の産地である信州更級の「更」と保科家の「科」の文字を組み合わせたものという。

そしてこの蕎麦の最大の特長は、精製度の高い(蕎麦の実の真ん中の白い部分だけを精製)蕎麦粉(これを更科粉という)を使った白くて歯応えのある高級感溢れる蕎麦だと言うことだ。

それを知るまで僕は、何とこの白い「更科そば」を、そば粉の少ない信州そばの「マガイもん」と思い込んでいたのだった。

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