プレミアムエイジ ジョインブログ
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青春賦(3)

入部した後はほぼ毎日、授業終了後部室に顔を出して、ギター練習を始めた。ところが、このギター部、実に変なサークルなのだ。特に先輩が後輩を教える訳でもなく、プロの演奏家の先生にみんなが教えて貰う訳でもない。益して、サークルとしてコンパ(飲み会)なんかが企画されるでもない。個人練習が活動の中心という変なサークル。

学生の分際で飲み会などもっての外、真面目に練習して3年生になったら演奏会に出ることを唯一の楽しみに個人練習に励めという変なサークル。

そう言えば、先輩も新入りも、冗談も通じない硬い一方の学生が集まったサークルみたいなのだ。クラシック音楽そのままに。だが、そういう中に例外的に僕よりも更に、「真面目」というイメージから程遠い新入りが2人いた。S君とN君だ。僕は必然的にSやNと親しくなって行った。Sは農学部、Nが工学部、そして僕が経済学部だ。

教則本を前に一生懸命練習するのだが、年一回の演奏会のために練習するにしても、出られるのは3~4年生。だたただ、練習するのみかと思うと、僕にはやはり続けられないなと思い始めた。Nにそのことを告白したら、彼もまた「面白くない」と言う。

そんな頃、我がギター部の向かいの部室からジャズが聞こえて来た。ドラムの音、ベースの音、トランペットの音。彼らが始めると、音が大きいからこちらのギター練習はやめるしかない。先輩達が露骨に嫌な顔をする。「ジャズのどこがいいんだ。不真面目な奴等が」。この一言で僕とNの決意が固まった。

「スイマセン。僕ら退部したいんですが・・・」
と先輩に僕ら2人で言ったら、Sも
「自分も今日で辞めます」
「何だよ3人揃って。でもな、辞めるのいつでも自由だから」

引き止められもせず、あっさりしたものだ。辞めるまでには幾つかハードルがあるものと勝手に思い込んでいたのだが、実に簡単だった。肩透かしとはのこと。部室を出た3人は、それでも、そのまま向かいの軽音楽部の部屋に入って行くのは気が引けるので、一応学食(学生食堂)に行って安いコーヒーを飲みながら話をすることにした。

「それじゃぁ、いつ軽音(軽音楽部)に入る?」
と僕が2人に聞いた。Nはそれに対して、
「軽音に入ってもまた、2年バンドボーイやれと言うのかなぁ?」
と呟く。
「もしそうなら、ギター部と変わんないよね」とS。
「自分達で勝手にバンド作ってやって行くのって、認めてくれるのかなぁ」とN。
「それなら、サークルに入らないで、まずは自分達でバンド作らない?」と僕。
「そうだよね。認められるにも先ずは我々のバンドがいい線行ってないと話しにならないだろうからね」

そんな訳で、先ずはバンド・メンバーを集めることになった。僕ら3人の中では担当を決めていた。Sがリード・ギター、Nがベース、僕はドラムと決まった。募集メンバーはサイド・ギターと、キーボード又は管楽器の2名とすることになった。

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