埼玉ライブ
2月19日、埼玉IOI倶楽部主催のチャリティー・コンサートに出演した。実はこのコンサート、「クーペ&Shifoの50歳過ぎたら聞きたいライブ」という題名で毎年開催され、今回で4回目を数える。
会場は、これまた4年連続、埼玉県の誇る凄いホールである。演出家の蜷川幸雄が芸術監督を務める、あの「彩の国さいたま芸術劇場」である。これまで僕もクーペ達と一緒に、いろんな場所で演奏させて貰ったから、ホールの良さというものが段々分かって来た。
それは、見映えや豪華さ、或いは、有名なホールか否かというより、同じ楽器が凄く良い音になるホールがあるのだ。NHKホールもそうだった。このさいたま芸術劇場もそう。いつものドラム・セットが、太鼓もシンバルも最高級品のような音になるのだから。
もう、それだけで僕みたいなアマチュアは、気持ちが良くなって心のノリが全く違って来るから、旨く聞こえるらしい。いつも一緒に行動している、「クーペ&Shifo」のプロ側バックバンドのドラマーの鶴見さんから珍しく褒められた。
それと、過去3回は350人の会場の6~7割程度の観客動員率だったと記憶しているが、今回は初めて満席となったことが嬉しかった。4年連続ともなると口コミでここまで広がり根付くものなのだ。
そもそも、3年と一寸前、会社の埼玉本部長だったJSが僕に何気なく漏らした言葉がことの始まりだった。
「埼玉IOI倶楽部で今度さ、バイオリンのクラシック・コンサートをチャリティーという形でやろうと思ったの。プロのバイオリンニストも抑えたんだけどね、皆に意見聞いたら、クラシックなんて人が集まらないし柄じゃないって否決されちゃったのよ」
「へえ、JSがクラシックをねぇ。やっぱり無理あるねぇ」と僕。
「ジャズでも何でも良いから、どっかさぁ、そんなに高くないバンド知らない?」
「おう、それにピッタリなバンド知ってるよ」
「ホント?助かるよ。神童さん全部任せるから、それを引っ張り出してよ」
「分かった。そのバンドで俺もドラムやってるけど一緒に出て良い?」
「ええ?神童さん、ドラマーだったの?嘘でしょ」
偶然のこんなやり取りから始まった埼玉ライブだった。初回は、兎に角大変だった。というのも、コンサートが2ヵ月後に迫った頃、クーペが脳梗塞で倒れ入院してしまったのだ。それでもJSは僕に「任せた」という態度を貫いたのは大したものだった。主催者JS本人は「クーペ&Shifo」のステージを一度も見てないし、歌も聴いたことがないにも拘わらず。
最低でも4ヶ月の入院と言われているのに、クーペは2ヶ月経ったところで医者の制止を振り切って強行退院。その1週間後にはこの「さいたま芸術劇場」のステージに立っていた。僕はクーペのプロ根性をそこに見た気がしたのと同時に、JSから全てを任されていた僕の立場を知るクーペの、命懸けの気遣いに感動し心から感謝した。
そんな思い出の詰まった場所での4回目のコンサートだったから、ホールの素晴らしさと相まって、気持ち良く演奏出来ない訳がなかった。そして、僕が今手伝っている新設保険会社の保険を、埼玉で大量に販売してくれた代理店さんに会場でお会いすることが出来たのも、正にこのコンサートのお蔭である。


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