プレミアムエイジ ジョインブログ
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青春賦(27)

バンド・メンバー夫々の学部の友人達や高校時代の友達も、よく僕等と行動を共にしてくれた。彼らにとってもそれが楽しみや息抜きの一つだったのだろう。そして、知らない者同士、徐々に親しくなって行った。僕等のバンドが触媒となって仲間の輪が広がって行くのがまた何とも嬉しかった。

そんな中に、学部は忘れたが、ハンサムだが田舎なまりの強い男がいた。いつもニコニコ顔で近付いて来る。あれこれ話している内に、出身地の話になった。「俺は長野出身。君は?」と聞いたら彼は「サイゴン」と答えた。何とベトナムからの留学生だった。

それまで何度も顔を合わせていたが、外国人だとはただの一度も思ったことがなかった。どう見ても風貌は日本人だし、ただ言葉のなまりが強い奴だなと思っていただけだ。名前を聞いたら「ファン・マン・カーン」と答えた。

ベトナム戦争も泥沼化し、次第に南ベトナムが怪しくなり始めていた時期だった。僕は思い切って聞いてみた。

「サイゴンは大丈夫なのか?」
「今のところは大丈夫」
「君のご両親はどこに住んでるの?」
「サイゴンの中心地」
「サイゴンが危なくならないと良いけどね。正直この先心配じゃないの?」
彼は答えた。
「実は僕も心配で昨日国際電話したよ。危なくなったらアメリカに渡ると言ってた」
僕は「ファン・マン・カーン」はサイゴンではかなりの上流階級の子息なんだと知った。

あの時代、ベトナム戦争の影が仙台の僕等の仲間にまで忍び寄っていたのだった。その後の「ファン・マン・カーン」の消息は全く分からない。アメリカにいるのだろうか?それとも現在のベトナムに戻っているのだろうか?或いは、今も日本の何処かにいるのだろうか?

また、バンド活動をして行く過程で、多くの女子大生やOL達がファンになってくれて、よく僕等のバンド活動を支えてくれた。正に勝手マネージャー連のように、また、大学や会社の枠を超えたサークル活動のように、様々なことで頑張ってくれた。

特に我がバンド主催のリサイタルやダンス・パーティーを実施するにも、もし、彼女達の協力(諸準備・受付・チケット販売等々)が無かったら絶対に不可能だったろう。無償で本当に一生懸命にやってくれた彼女達に、今更ながら感謝の気持ちで一杯である。

メンバーや取り巻きはみんな若かったから、彼女達との間に恋も芽生えたし、失恋もあった。自然なことだ。但し、バンド仲間の不文律というのがあって、女性を巡って仲間内で争ったことは一度も無かった。物語としてはそういう事件があった方が面白いと思うが、残念ながらそれは無かった。デートのお相手は先行メリットを互いに認め合う暗黙のルールが存在していたのだ。

だが、目出度くゴールイン出来たケースは極く稀だった。人を傷付け自分も傷付き、夫々の辛い別れもあった。仙台とはそういう、熱く激しい青春、ほろ苦い青春を、全速力で駆け抜けた場所として、今でも僕等にとっては特別な街なのだ。

青春賦(完)
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