プレミアムエイジ ジョインブログ
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婚約者

家に二人してやって来た。フィアンセは、やはり近くのデパートでも見掛ける化粧品売り場の女性店員と同じように、背がスラッとして、身長166~167cmの美形の女性であった。

しかし、東京のデパートのそういう人達と違い(と言っても良く知らないが)、僕等の前で緊張し切っているようだ。そりゃぁ無理もないね。1千kmも離れた札幌から、朝一番の飛行機で、姑・姑女になる人に会いに来るのだから。でも何かちょっと可哀そう。

でも、まぁ、さすが大台、30歳。落ち着きと気配りの笑顔は超一流だ。どこかの気高きご夫妻と同じように、完全に姉と弟のカップル。よくも我が愚息と一緒になろうと決意したものだ。それだけでもあんたは偉い。もっとカッコいい男はいくらでもいたろうに。

彼女の話では、羽田から我が家に向かう途中、愚息の方が「ハァー」とか溜息を洩らし、凄く緊張しているようなので、自分も緊張してしまったとか。きっと何でも口を突いて出てしまう母親に彼女を引き合わせるのが何とも不安だったんだろうな。

「何とか、無事通過してくれますように」そんな息子の気持ちが良く分かる。僕の方は彼女に、ご両親の年齢や、お仕事、ご家族の構成、彼女の職歴、北海道の様子など当りさわりのないどうでもいいことを聞いて、話し易くしてやってたところに、お茶やお菓子、その他をテーブルに出し終わって、あとからテーブルに着いて話に加わったカミサン、いきなり質問。

「付き合い始めてまだ半年なんでしょう?もっとじっくり考えれば良かったのに」
聞きようによっては、この結婚、反対って言ってるようにも聞こえる。
「あ、ハイ。でも気持ちは変わらないと思いますので」
と、彼女。泣かせるねぇ。
息子はどうやってプロポーズしたんだろうか?そもそもちゃんとプロポーズ出来たのか?と思ったらさすがカミサン。
「息子、ちゃんとプロポーズ出来ましたか?」
「あ、ハイ。え、ハイ」
「どうして、よりによってうちの子なんですかねぇ、ホントに。この子のどこが気に入ったんですかねぇ?」
カミサンの愚息に対する評価は小さい時からスッと低いまま。だから本心からこういう質問になる。フィアンセにしたらどう答えていいか分かんないよ。試されてるみたいで。でもカミサン、全然裏がないんだ。そのまんま。
「・・・」
我が愚息は相当居心地悪いらしい。
「もういいじゃん、そんなこと」
と言って、席を立ち煙草を吸いに行ってしまった。その間に・・・
「先週は、うちのがご実家の方に伺ったんですってねぇ。どうでした?お父さんお母さん、相当不安になったんじゃないですか?」
「いえいえ、全くそんなことありません。喜んでいました」
「そうだといいんですけどね。挨拶もろくに出来ない子なので、すいませんね」
「挨拶はしっかりやってくれましたが、顔を真っ赤にして異常なくらい額に汗かいていましたね。父と私が寒がりな方で、部屋を暖房していましたから、それもいけなかったんですけど」
「あ、あ、汗を。ねぇ。ハハハ。頼りない息子なので、しっかりしたお嫁さんを、と思っていましたから、本当に一安心です。宜しくお願いしますね」

カミサンもひとまず気に入ったようだ。

いい娘(こ)だよ。息子にはモッタイナイ。

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