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会社合併

僕が属していた前の損保会社で、2001年4月の会社合併を経験した。僕はシステム部門の責任者だったから、それはそれは大変だった。合併発表が前年の3月だから、約1年で両社のシステム統合をやり上げなくてはいけなかった。それだけでも間に合うかどうかの大仕事だ。

何が大変って、本社各分門が夫々合併に向けてこうしましょうと決めることと、たった1年しかない中で行えるシステム統合の形とは、多くの場合、相容れないということだった。システムはこうするしかないから、「両社の商品はこう整理して下さい」と頼んでも、「この商品を打ち止めになんか出来るか!」とか、なかなか思うに任せないのだ。

それだけでも大変なのに、本当の問題は、一生懸命システム対応を行っても、大きな金を掛けてシステム対応を行っても、システム自体がその分進歩前進する訳では更々ないので、部員達の士気は保てるかという点だった。徒労のように感じる後ろ向きの仕事にどうモチベーションを上げて行けるか、それをどう維持して行けるかという問題だった。

今日の朝日新聞によれば、昨日の日本興亜損保の株主総会が大揉めに揉めたそうである。既に発表していた損保ジャパンとの合併に対して、前社長の松沢氏が現社長の兵頭氏に噛み付いた。「何故今損保ジャパンと合併しなければならないのか」と。損保ジャパンはアメリカのサブプライム・ローンの保証保険の再保険を受けていたために、2008年度決算では、当期純利益△667億円という巨額な赤字を計上をした会社だ。来期以降も大きな赤字が続くと言われている。

「そんな会社と何故今合併しなければならないのか」と言う訳だ。日本興亜損保は筆頭株主である外資系ファンドからここ何年か、損保ジャパンと合併をせよと言われ続けて来たが、前社長の松沢氏がこれを拒否して来た歴史がある。従って、氏にしてみれば、「社員のため株主のために、自分が頑として受け付けなかった損保ジャパンとの合併を、今の経営陣は何故簡単に受け入れるんだ」という気分だろう。

普通に考えれば、松沢氏の言うことに説得力がある。何故なら、幾らサブプライム・ローンで傷付いているとは言え、損保ジャパン(業界3位、正味収保131億円)は日本興亜損保(同5位、65億)の2倍以上も大きい巨人なのだ。とても対等合併など望めない。それが果たして、社員・株主の利益に繋がる筈はない。兵頭現社長の答弁は「損保ジャパンが傷付いている今だから対等合併出来るんです」。

誰もが「?」に思うだろうね。その後も、新旧社長対決は満座の中で続いたようだ。それにしても前社長も、自分が決めた現社長に対して株主総会で対決することを決意するんだから、今回の合併は身体を張ってでも食い止めようと覚悟したということなんだろうね。普通、そこまでしないから。

そう言えば、この株主総会に向けてかどうか、日本興亜損保の揉め事が続いていたね。元常務が経営陣を粉飾決算で告発してた。この3月末までの保険金支払いを極力4月にずらして、利益を膨らませようと指示したとか。これなんか、今回の現社長以下の経営陣に対する非難の前哨戦だったのかとも思える。

そこで、閃いた。日本興亜損保は損保ジャパンとの合併は兎に角見合わせるべきだ。

今、三井住友海上(同2位、145億円)とあいおい損保(同4位、82億円)とニッセイ同和損保(同6位、31億円)の3社統合の話が進んでいるようだ。業界1位の東京海上日動海上(213億円)を抜き、世界第5位の損保を狙っているらしい。

こちらは来年4月に向けて第一段階として、あいおい損保とニッセイ同和損保が合併し、三井住友海上との合併はもっと先になる予定だという。だったら、日本興亜損保もこれに加わって、まず、あいおい損保、日本興亜損保、ニッセイ同和損保による3社対等合併を実現し業界第2位(178億円)を確保して、それから三井住友海上と最終合併すれば、どちらも吸収されるような合併ではなくなるよ。いいでしょう?さてさてどうなりますか?

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