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初芝居(2)

第2部は、クーペ原作、クーペ脚色、クーペ監督による芝居「それからの白雪姫」。長いこと、僕等おじさんバンドは、Shifoと一緒に「年取った白雪姫と7人のジジイ達」というバンド名でやって来たから、この芝居は正にその原典に当る。

おじさんバンドは、芝居の終盤から登場するのだが、あれから40年経ったという想定だ。だから7人の小人達は全員80歳を超えている。だからみんな爺さん役だ。

本番4日前に、おじさんバンドがShifoからの召集通知メールにより集められた。それまで、なかなか芝居の稽古のために集まるということが出来ていなかったからだ。平日の水曜日午後6時。夏休み前の忙しい時期。Shifoのメールが威圧感たっぷりで(そうはどこにも書いてないが、おじさん達は行間を読むから、恰も「あんたら、やる気あんのか!」と読めた)、取るものも取り敢えず全員が揃った。珍しい。

それが、初めての芝居の稽古だった。小人の家に迷い込んだ新しい白雪姫が空腹に耐えられず、小人達の食事として用意しておいた食べ物を食べて寝込んでしまった。そこに、外から小人達が帰って来て、用意しておいた自分達の食べ物がなくなり、そばで寝ている少女を発見する場面。そこからが僕等の芝居。

事前にクーペからは、一人一言くらいだから、なんも心配しないでと言われていたが、いざ蓋を開けると、みんな沢山の台詞が用意されていたから驚いた。何せ殆どの人は小学校の学芸会以来だから大変だ。クーペさん。頼むよ~! もっと減らして!

それでもウンと言わないから、仕方なく、僕等の出番の二幕を練習した。最初は棒読みだった台詞も、演技しながら恥ずかしさも薄れて行き、最後は思い入れたっぷりにしゃべり演技するようになって行った。

ただ、大変だったのは、渡された台本がその練習中に変わること。僕等の練習を見ながら、クーペがクルクル台詞を変え、会話の順序を変え、気に入らない場面はカットするので、帰る時は台本中が真っ黒になったことだ。

ど素人で60歳過ぎた者には、台詞を覚えるのがとても大変だし、仮に覚えたとしても、順番が変わると、自分の番が分からなくなるから、しゃべるところを黙ったままだったり、違うところでしゃべり出してしまうのだ。あまり、台本を変えないようにお願いしますよ、クーペさん!

が、そうは問屋が卸さない。二回目の練習は金曜日(本番2日前)の夜8時から。前回はクーペの店で練習したのだが、今回はちゃんと公民館の一室を借り切っての練習だ。またまた驚かされた。前回7人の小人達の前で倒れるのは若い白雪姫だったが、それが変わり、ヨッ君が倒れるというシナリオに大変更。

その上、本番間近と言うのに、芝居の全体像が分からない。僕等の場面は後半の物語だ。前半もクルクル変わってる最中だから、まだ通しの台本が出来ないのだそうだ。そして、当然のようにこの日も僕達の台詞が変わり、また、追加になった。大丈夫かな、当日、俺たち?

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