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ある講演会

  ある講演会に、JTの代理で出席して来た。この会は何でも20~30年前、異業種懇談会として始まり、今も講演会を隔月開催しているグループである。

   この日は、「民主党の『脱官僚』と政策実現は本当に可能か?!!」というテーマで、「シンクタンク2005・日本」の創立者(前理事長)で現理事、中央大学客員教授の鈴木崇弘氏の講演会だった。

   彼は、小泉純一郎が首相になる前から、竹中平蔵と共に小泉の私的政策検討機関の役割を負っていたようだ。民主党が「脱官僚」を標榜して「事業仕分け」や「次官会議」の廃止など目新しいやり方を進めているが、「脱官僚」は実は自民党時代も、中曽根首相や橋本首相の時代に行なわれ、小泉首相の時代には彼のリーダーシップで特に強力に進められたと言う。

 その体験から鈴木氏は言う。

 「脱官僚」とは、政治主導で政策を作り、官僚がそれを忠実に実施することとは言うけれど、政策立案を本当に政治家がやれるのか? そこをしっかりさせないと、国の政策が全て場当たり的・その場凌ぎになってしまう。

   比較的小さい省庁の外務省でも6千人の職員がいる。そこに大臣・副大臣・政務官等たった4人で乗り込んで、実のあるマネージメントが出来ると思いますか? マネージメントだけでも大変なのに、4人で全部の政策を立てられますか? 

   政治家は忙しいんです。各省庁の政治家は様々な行事にかり出され、週末には地元に帰って報告会をしなければいけない。放っておけば結局官僚に頼らざるを得なくなる。民主党の「脱官僚」も多分絵に描いた餅になるだろう。

   私は声を大にして言う。政策形成の仕組みを作れと。手前味噌だがそこがシンクタンクの出番。政策を作り上げるシンクタンクなくして「脱官僚」は有り得ない。これはアメリカでもヨーロッパでも当り前のこと。

   鈴木氏はご自身のお仕事の宣伝を兼ねて「脱官僚」を語っていたが、僕が面白いと思ったのは、講演が終了して質疑応答に入ってからだ。彼の本音が表れた。

「小沢氏の金を巡る問題とその民主党政権への影響をどう見ていますか?」との質問に対して、

「逮捕されるかどうかは別にして、小沢氏の政治生命が終るようなことになれば、今後の見通しは混沌となるでしょうね。年末までは、自民や他の政党を巻き込んで、民主党が親小沢と反小沢に割れて新たな2大政党制に政界再編されると考えていました。でも、こう小沢さんが危ない状況になると、正直、読めません」

「ついでに言いますが、もう一度自民党政権に戻ることは絶対にありません。自民党は総裁選びを間違えましたね。谷垣さんを選んで、彼が民主党政権を批判しても、貴方に言われたくないの一言で国民は頷いてますから。自民党が復活するには、過去の自民党を断ち切って、民主党の先を行く政策を打ち立てなければダメです。若いリーダーを総裁にして次代を担う政党というイメージを全面に出さないと・・・。負けた時の自民と今の自民、何も変わりませんもん」

  安倍・福田・麻生・鳩山と、昔の大総理大臣や大政治家の2世3世が首相として続いた不幸や、他の先進国に大きく見劣りする、平均首相在任期間1年強(毎年首相が変わる)の日本の不幸、アメリカ大統領のリーダーシップに対する日本の首相のリーダーシップの、比べようもない貧弱さ、等など、鈴木氏の見解を聞ける時間が無かったのは残念だった。

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