沖縄(4)
クーペが「再会の乾杯と行こう」カフェ・バーの階段の上で僕等を呼んでいる。まだ午後の3時前だったが、部屋に戻って、全員で乾杯することになった。テーブルには、見知らぬ外人さん(?)が1人。「ココナッツ・ムーン」のマスターだという。
長髪・テンガロン・ハット・サングラス・口ひげ・黒のジャンパーにジーンズ。僕はてっきり白人のマスターかと思った。カッコいいのだ。往年のチャールス・ブロンソンのようだ。そのマスターが、「いらっしゃいませ。お2人は俳優さんですよね?」と高岡建治と岡崎友紀に日本語で話掛ける。驚いた。彼は日本人とアメリカ人のハーフだが名前を比嘉清正という歴とした日本人なのだ。
この店とこの海辺が醸し出す「マイアミ」の雰囲気にピッタリで絵になる。この人、実は知る人ぞ知る幻のロック・バンド「紫」のメンバーなのだ。日本を代表するロック・ギタリストのチャーとも良く共演するそうだ。
店内を見回せばステージもあり、確かに、楽器が置かれ、毎週土曜日の夜は、ここでロック・バンドのライブがあると言う。実はこの日が土曜日なので彼の演奏を聴いてみたいものだが、こちらも今日の夜、「おきなわ道楽」でライブのため、それが叶わないのが残念。
太陽が降り注ぐ午後、カリブ海に面した洒落たカフェ・バーで飲んでいるような気分だからか、話しも盛り上がる。高岡建治とクーペの昔話。クーペはカッコいい高岡に憧れて、自分もカッコ良く見せようと様々な試みをした。
「クーペはひげが薄くて、様になんないだけど、口髭に憧れてたんだよな。昔、クーペがね、ディスコに付け髭つけて行ったのよ」と高岡建治。
「そうそう。丁度、マスター(ココナッツ・ムーンのマスター比嘉清正)みたいに、長髪にテンガロン・ハット、それに付け髭つけて」とクーペ。
「俺が踊ってて、フッとクーペを見たら、客席でカッコ付けて座ってるのはいいんだけど、ブラック・ライトに照らされて、鼻の下の付け髭の白い下地ばかりが浮かんで見えんのよ」
「自分じゃ見えないからね。俺、カッコいいだろう? って周りの娘達にポーズ決めたりしてたんだ」
「もう可笑しくて、可笑しくて」と高岡建治。全員で大爆笑。
8人が大きなテーブルを囲んでビールを飲みながら話しをしている。僕のサイドには「おきなわ道楽」のマスター、大森教授、僕、Shifo、反対側には向かって左から、比嘉清正、岡崎友紀、高岡建治、クーペと並んでいる。
大森教授が手で左から順に、比嘉清正、岡崎友紀、そして高岡建治を指して言った。
「こうして3人が並んで座られると、まるで映画の1シーンみたいです」
すかさずクーペが抗議。
「何で俺の前で区切るかねぇ。俺は別かい? 何で4人が並ぶと、って言えないかなぁ!」


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