プレミアムエイジ ジョインブログ
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涙ぐましい

 
  甥っ子に、工事機材のレンタル会社の社員がいる。彼は38歳だが、妻と子2人を養っている。子供はまだ5歳と2歳だから、妻は専業主婦となっている。

  生活は楽ではない。頭金は親から出して貰ったかどうか分からないが、購入したマンションのローンを払いながら、安月給で親子4人が食べて行くのは楽ではないという。

  40に届こうかという男の小遣いが痛ましい。彼が僕に面白可笑しく語ったところでは、毎週5千円という取り決めだという。つまり、1日千円。これで昼食代と飲み物代、それにタバコ代を賄うのだそうだ。

  それでも彼は、その少ない中からも何とか100円単位の節約をして、翌週の小遣いに余裕を持たせるように努力をしている。

  普段は、その涙ぐましい努力の結晶(1週間の残金)は、妻にバレないように別の所に隠しておくのに、ある時それを忘れて、余らせたお金、千円也を財布に入れたまま日曜の夜を迎えてしまった。彼の奥さんは中身を確認して、4千円追加したという。

  これには彼、猛烈に抗議したらしい。「こつこつ節約したのに、それはないでしょ!」。

  その反論が凄かった。「週5千円あれば大丈夫と言ったじゃない。こちらの苦しさを分かって節約してくれたんじゃないの? 貴方にはそういう優しさなんて、これっぽっちもないのね。今までも、私に内緒でヘソクリしてたんでしょ?」。

  「わ、わかったよ」。彼の負け。

  でも大変だな。今の時代。上場企業だと言ったってこんなもん。給料は上がるんではなくて下がるのが当り前(本給は変わらず各種手当てが見直される、廃止される)。

  僕が彼の歳の頃は、正にあのバブル経済の始まりの時期だった。日本中が中流意識から上流意識に移りつつあるような、金銭感覚も麻痺していた時代だ。残業手当だけで本給を超えるような時代。

  その頃、週5千円の小遣いという30代後半のサラリーマンなんていなかった筈だ。

  バブル崩壊から20年。日本の一般家計レベルは急降下して、多分、昭和40年代の高度成長直前まで遡ってしまったのではないか。

  それは丁度、団塊世代の社会人デビューの時期だ。団塊世代が、最初の20年はその数の多さと競争意識の激しさを持って優秀な企業戦士を沢山輩出して、日本を一時、競争力世界一位にまで牽引した。

  しかるに、バブル崩壊後の後半の20年は、成す術もなく、下降の一途を辿る日本経済を、ただ見詰めるしかなかった世代でもある。

  現在の若い(と言っても38歳)家庭の厳しい状況を招いた日本型デフレは、結局のところ、バブルに浮かれ、バブル後の急下降を20年間も食い止めることが出来なかった団塊世代の責任とも言えるのではないか。
 

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