シンプル・イズ・ザ・ベスト(1)
JTが立ち上げた2社目の保険会社、「フレックス少額短期保険」。既存の保険業界とは全く思想を異にする保険会社を目指す。その基本思想は「シンプル・イズ・ザ・ベスト」。単純明快で誰にも分かり易いこと。それにより、余計なコストを一切掛けず、保険の値段をどこよりも安く提供しようというもの。
僕も顧問として参画しているが、以前勤めた保険会社で、同じ思いは抱いていたものの、過去からのシガラミやら、リスク管理上不可欠とやらで、遂に実現出来なかった超合理的保険会社が出来上がるかも知れないのとの思いを強くしている。
些か宣伝めくが、今後の保険会社のあり方に一石を投ずることになると思うので、敢えて書かせて頂くことをお許し願いたい。
まずは、コンピューター・システムの「シンプル・イズ・ザ・ベスト」。メンバーが実力者揃いなのに、ボランティア参加やパートタイマー参加だから、高い能力の割には低コストでシステムが作られる。リーダーは還暦過ぎだし、その下のSEやプログラマーは、中年SEと家庭の奥様お三方。
既存の保険業界が使っている通常のソフトハウスに、保険システム開発のために同じ体制を組んで貰ったら、多分10~20倍の費用となるだろう。
コストが安い分、奥様達には、家で仕事をして貰ったり、夫々の都合の良い時に出社して貰ったりと、勤務形態自由の家庭第一主義でやって貰っている。
更に、組まれるシステムも、業務規程など細部まで全部SE側が専門言語で作ってしまうのではなくて、事務や業務の仕様は、その担当者が自由に組み込み、また、自由に変更出来るよう、エクセル関数で書けるようにした。いちいち、業務の担当者がSEに頼まなくてもシステム変更が可能になったのである。
従って、いわゆる「アプリケーション」と言われる業務システムの殆どはSEの側から、業務担当者に移管されるから、システム・チームの作る部分は基本構造やデータの流れ(フロー)のコントロール、或いは、バックアップ機能などに限られる。全部をシステム・チームが作ることに比べれば、多分、5分の1程度と思われる。
前の勤務先だった業界大手の保険会社のシステムを40年近くやって来たが、この考え方で作っておいてやれば、システム・コストもSE人数もメンテナンス・ロードも格段に軽くしてやれたのにと、現在悪戦苦闘している後輩達に、申し訳ない気分でいる。


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