プレミアムエイジ ジョインブログ
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Posts from — 8月 2014

リーダーは偉い

無題 

.  書店に行くと、古今の偉人伝やリーダー論の書籍が溢れている。

.  曰く「①リーダーとは勇気と希望を与えてくれる人、②リーダーは志に従うものである、③リーダーは小異を超える人間になれ、④リーダーとは正しいことを成す人」、曰く「人は簡単に変わらない。人を変えると思うな、空気を変えよ」、曰く「リーダーは大義を持て、リーダーは人生を賭ける覚悟をせよ」etc.

  いつの時代も、この手のビジネス書は一定量買われているようだ。だが、購入者もその実、飽く迄も参考にする程度で、結局のところ、悩みもがきながら幾つかの成功体験を経て自信を深め、人々の心を読めるようになり、遂には自分流のリーダーシップやマネージメントを確立して行くのではないだろうか。

  さて、前置きはそのくらいにして、ビジネスとは全く無関係な世界で、やはり「リーダーは偉い」と感じたことがある。大昔のことで、また、大したことでもないが、恥ずかしながら書いてみる。

  それは、僕が大学生だった昭和43年の2月のこと。前年暮れに「ブルー・シャトー」でレコード大賞に輝いたブルー・コメッツが、県民会館で地方公演を行った。どういう訳か、数ある学生バンドの中から選ばれて、僕らがそのコンサートの前座を務めたのだった。

  僕らは、指定された時間に会場入りし、まずは、リハのため持ち込んだドラムやアンプをステージにセットしようとしたが、既に、ブルー・コメッツの箪笥のように大きなアンプや楽器類が設置されていて、どこに置けばよいのか戸惑った。

  すると、係りの人が来て、「アンプもドラムもブルー・コメッツの物を使って」と言う。但し、ブルー・コメッツのリハは既に終わっているので、ドラムの角度や位置は動かすなとも。だけど本当に、素人が使わせて貰っていいの? 更に僕は戸惑ったが、プロの頂点にいるジャッキー吉川が使うドラムを是非叩いてみたいという誘惑が勝り、素直に「ありがとうございます」と言ってリハを始めた。

  シンバルの綺麗な音、スネア・ドラムのキレの良い音、1曲でそのドラム・セットに魅せられた。貧乏学生が持っている安物とはまるで違う楽器だった。叩いていて気持ちいいし、気持ちのノリが全く違って来るのを感じた。当時の最高級品だとすると、多分300~400万円は下らないドラムだろうと思った。(当時の価格だから今日に換算すればその10倍?)

  リハーサルを終わって、僕はメンバーに「ブルー・コメッツの控室に行って挨拶しよう」と提案し全員で楽屋を訪ねた。ドアをノックすると「どうぞ」と中から声がしたのでドアを開けた。

  「今日、前座をやらせて頂く学生バンドです。どうぞ宜しくお願いします」。広い楽屋の手前の方で、三原綱木と井上忠夫が夫々鏡台に向って髪の毛を梳かしたりしていた。三原綱木は鏡を見ながら振り向きもせず、「あぁ、学生さんね。頑張ってね」とあしらう様に言う。

  あまりにそっけない彼の態度と、その隣で何も言わない井上忠夫に少しムッとしながらも、次に言う言葉も見当たらず、引き上げようとしたところ、一番奥の方から、一人のオジサンが僕等の方に向かって来るのが見えた。あっ、彼がバンマスのジャッキー吉川だ。

「あぁ、そうですか。私達のために誠に申し訳ないことです」とても低姿勢だ。
「係りの方から、ジャッキーさんのドラムを使って良いと言われましたが、本当に宜しいんでしょうか?」と僕が聞いた。
「どうぞ、どうぞ。幕間に片付けたりするのは面倒でしょうからね」
「ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」

  流石はバンマス。どこの馬の骨とも分らぬ学生バンドに、これほど丁寧な応対をしてくれたことに正直驚いた。当代随一の売れっ子バンドだから、寧ろ、三原綱木や井上忠夫の態度の方が当たり前かも知れないのに。

  だが、今この歳になって思う。当時既にグループ・サウンズのトップに君臨していたブルー・コメッツが、レコード大賞に輝いたことは歌謡界をも制覇して文字通り日本ナンバー1の地位に就いたことを意味した。その快挙から1ヵ月強のあの時、ジャッキー吉川は、メンバー達の舞い上がりや傲慢を、自らの態度で戒めたのではなかったと。

  さて、僕らの前座のステージ。当時はどのホールもステージには緞帳があり、開演は開幕と同義だった。僕等の最初の曲は緞帳が下りた状態でスタートした。おもむろに幕が上がって行く。その時だ、会場がワーワー・キャーキャーと尋常の騒ぎでなくなったのは。

  僕らのバンドも編成はブルー・コメッツと良く似ていた。即ち、ギター、サックス、ベース、キーボード(またはサイド・ギター)、それとドラムスの5人組だ。観客は僕らをブルー・コメッツと間違えているのだと直ぐに分かった。

  それが証拠に、その喧噪は緞帳が上がり切るまでの10秒間だけで、後は打って変わって「シーン」と静まり返った。トップスター達はこんな大騒ぎと言うか、大声援の中で演奏しているんだなぁと実感。たった10秒間のスターもどきだったが、いやー、凄かったの何のって。

 

8月 13, 2014   2 Comments

もう直ぐ終戦記念日


.  友人達との暑気払いを終えて、帰宅するため電車に乗った。金曜の夜9時過ぎなので、ほろ酔い気分の男性のグループが大きな声で会話するのが遠くから聞こえる。こちらもほろ酔いだからさして気にはならないのだが、多分、似たような何かの飲み会の帰りだろうと思われるおば様達3人が僕の近くのドアの辺りで井戸端会議の真っ最中だった。

  その会話が、聞くとはなしに聞えて来た。

「韓国もしつこいわねぇ、70年も前のことをいつまでもいつまでも騒ぎ立てて」
「もう少し経てば、そういう人達誰もいなくなっちゃうんだからそれまでの辛抱よ」
「自分の国だって、米軍基地のために慰安所を設けていたっていうじゃない」
「ベトナム戦争の時だって、韓国軍は現地で略奪や強姦のし放題だったそうよ」「日本のことをとやかく言う前に、自分の国はどうなのよって言ってやりたいね」

.  おば様族、恐るべし。飲んだ勢いもあってなのだろうけど、満員電車の中でここまでズケズケと言い放つのだから凄い。近くに韓国人がいたら面倒なことになるなんて全くお考えでない。そうでなくても、従軍慰安婦の問題については、同じ日本人でも様々な考え方があるのだから、公の前で言い放つには微妙過ぎる問題だ、と僕等男どもは思ってしまう。いや、少なくても僕は。

  幸い、彼女達に言い掛かりを付ける輩はいなかったし、寝ている人以外は案外心の中で同意している風の人が多いような気がした。

  本音がストレートに口を突いて出るのが女の偉さと言えば偉さなのだろう。僕自身も、朴槿恵大統領が日本を貶める目的で世界に向けて幾多の悪宣伝や働き掛けをして来ていることを快くは思っていない。日本の首相が韓国語で彼女に話し掛けても、目も合わそうとせず無視した場面など、失礼にもほどがあると思った。

  以前は個人的に、過去に日本に支配された心の傷はなかなか癒えないのだな、と思っていたが、それ程悪感情を覚えることはなかったが、朴槿恵氏が大統領になってからというもの、韓国に強い反感を覚えるようになっているのは事実だ。おば様達も似た感情なのだろうと想像出来る。

  だけど、これは多分に売り言葉に買い言葉のレベルの感情だと自覚している。どこぞの若い知事が「従軍慰安婦は日本だけじゃない、世界のどの国にもあった」と言って、世界から顰蹙を買ったり、狭義の強制性はなかったと主張して日本政府の責任はないなどと言いたい側には与しない。

  あの戦争は、日本の意志で仕掛けたか、欧米に包囲され追い込まれた結果かは別にして、近隣諸国の人々を苦しめたことは事実だから。故に、韓国に対しても1965年に、当時の韓国の国家予算の3倍にも当たる国家賠償を行なったのだし、更にその額の何倍にも当る日本の資産(インフラ・建物他)を無償で明け渡したのだ。

  従って、現在の日本の政治家が世界に向けて発信すべきは、従軍慰安婦は軍が強制したものではなかったなどと言って世界世論を敵に回すことではなく、韓国には当時日本の成し得る最大の賠償を行い、あらゆる問題(後に顕在化する問題を含めて)を解決したことをアピールすべきだ。それだけの額を日本の国民一人一人が税金から支払ったのだから。償いの気持ちをもって、日本の国民が最大の誠意を尽くしたのだから。

  僕が尊敬する82歳の大先輩から暑中見舞いを頂いた。そこには戦後生まれの政治家達への危惧が書かれていた。「日本は加害者だった、ということを自覚している自分達の世代の消滅と共に、そういう意識も消えてしまうのだろうか」と。

 

8月 11, 2014   3 Comments

続 ブラック企業

ブラック企業というタイトルで当欄の原稿を書いたが、偶然にも同じ日、ヤフー・ニュースに「AMAZON逆風 ブラック批判も」という記事が掲載された。米IT大手アマゾン・ドット・コムが、「元祖ブラック企業」と揶揄され、メディアの潜入ルポなどを通じてその酷い職場環境が世界中で暴露され社会問題化しているという内容だ。

BBCの記者はイギリスのアマゾンの物流センターで働き(潜入)、台車を押して商品を収集する作業に従事した。記者によると、10時間強に及ぶ夜間の1回の勤務シフトで従業員が歩く距離は17キロにも達する。作業が遅いと、「訓練の必要がある」と警告を受けるという。「精神的および身体的疾患を招きかねない」ほどだ。米国やフランスでも、同様の苛酷な労働実態を伝える報道が相次ぎ、健康被害を訴える報告が絶えない。

また、ドイツ発のニュースでは、労組の国際組織である国際総連合(ITUC)が5月にベルリンで世界大会を開催したが、そこで、「世界最悪の経営者」に、アマゾンの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス氏が選ばれたと伝えている。ITUCは「アマゾンは従業員をロボットのように扱っており、ベゾス氏は雇用者としての残虐性を象徴している」と痛烈に批判した。

この他にも、アマゾンからゲームソフトを購入した子供が高額請求される問題で当局から同社が提訴され、「子供を食い物にしている」との批判が高まっているなど、様々な問題が浮上している。これらに対してアマゾンは、「違法ではない。裁判でわれわれの立場を主張する」と真っ向から争う姿勢だ。これが労働界や教育関係者・消費者団体などからの数多くの批判を招き、騒ぎが大きくなっている。

同じ米国でも、この対極を行く会社(ホワイト企業という言葉はあるのだろうか?)がある。化粧品や医薬品、或いは医療機器の製造販売で有名な世界企業の「ジョンソン エンド ジョンソン」だ。1886年開業で1世紀以上の伝統を持つ会社である。その経営理念「我が信条(Our Credo)」が素晴らしい。そしてそれを世界の全ファミリー企業に徹底されているのがまた凄い。

ステーク・ホルダーが大事とはどの企業のどの経営者も言う。しかし、それは言外に顧客・株主重視を言っている場合が圧倒的に多い。だが、「ジョンソン エンド ジョンソン」は、大切にする順番として、1番目に顧客、2番目に社員、3番目に地域社会、そして最後に株主という考え方を明確にしているのだ(株式会社なのに株主が1番目でないのはおかしいという批判にも決して屈しない)。

顧客が一番なのは誰しも異論のないところだが、次に大切なのは社員の生活と幸せだと言い切る会社は世界でも珍しいのではないか? 基本的人権も何も、今とは比べようもなく軽視されていた時代、労働者からの搾取が常識の時代に創業した会社が、社員の気持ちが会社発展のツボだと強い信念になっていることに驚きさえ覚える。

こういう経営理念が何故一般化しないのか? 厳しい競争の中ではそんなキレイごとでは生き残れないのだとか、赤字経営の時に社員の生活第一なんて言ってられるか、という意識なのだろう。その結果がブラック企業と見做され、「万骨枯れて企業も枯れる」では、それこそ全てのステーク・ホルダーに顔向け出来なくなる。

8月 7, 2014   No Comments

川柳句楽部


.  今年の4月から始まった「川柳句楽部」に参加している。出身会社のOB会の同好会の一つとして発足した会だ。僕はそういう才能は全くもって皆無なのだが、員数合わせで引っ張り込まれたようなもの。現在9名の会だが、10名以上で正式な同好会として認められる(極めて少額だが幾ばくかの助成金が降りる)のでもう少しだ。

  最初の会は、テーマ自由で各自作句して持ち寄り、皆で一つ一つ吟味して、最初の5文字と最後の5文字を逆にしたらどうかとか、この言葉をこう置き換えた方が良いのではないと、素人ながらに元の句を皆で改良し合い和気藹々スタートした。

  尤も、会そのものは1時間超程度で、その後は懇親会となって、その方がよっぽど長時間だったが。

  その後一応進め方が決まり、現在は月1回の会合までに、①共通テーマ、②サラリーマン川柳、③自由テーマ を網羅して1人最低10作を提出する。会では、その他のメンバーが批評し合い、その中から人気の2作(メンバー1人当たり2作)を選んでOB会のホームページで発表するのだ。

  面白いのは、自分の自信作があまり選ばれず、熟慮を重ねたものよりも、サラッと書き留めたようなものの方が人気だから不思議なものだ。他のメンバーもほぼ同感の由。この1年は夫々のレベルアップを図り、来年には、川柳を募集する様々な機関に応募することにしている。

  そういう意味では、まだ入門編のレベルなので、ここに載せるのも憚れるが、恥を忍んで僕の作品を掲載させて貰う。他のメンバーも夫々、我が川柳句楽部で記憶に残る名作(迷作)を生んでいるが著作権の問題もあるので(ないか?)、了解を取り付けてから後日紹介してみたい。

人生は    あの世までの    暇つぶし
暑いとて   脱ぐに脱げない  肉襦袢
早や定年   大器晩成       成る前に
壇れいを   わしも知ってる   団令子
女房の    孫への優しさ   オイラにも
出勤時    我が子手を振り  また来てね
ノックされ   思わずどうぞ   あっ、トイレ
台風は     フック回転      何故右に?

  まだ、どこに応募しても入選するレベルでないが、1年後を乞うご期待! 

8月 6, 2014   No Comments

ブラック企業


.  先月末に、牛丼の「すき家」の労働環境改善に関する第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)から、調査報告書がすき家を経営するゼンショー側に手渡された。それがゼンショーのウェブ・サイトに掲載されている。

  ざっと読んでみたが、この報告書は、深夜の一人営業(ワンオペと呼ばれている)の現実を初め、月500時間労働を含む凄まじいばかりの現場の労働実態を浮き彫りにし、小川SEOは1年以上前にこの問題を認識していたのに、何も対策を取らなかったこと、取締役会、監査役会もこの問題を一度も議題にしていないことなど、徹底的な経営批判に貫かれている。

  その意味では、不祥事を起こした企業が所謂「第三者調査委員会」を作って、痛切な反省に基づいて抜本解決を図る姿を取り繕うだけにしか見えない報告書が多い中、今回の調査報告書は傑出しているように思う。否、それだけ酷い状況だったと言うべきか。

  ことが顕在化したのは、今年の2月の都内の2度に亘る大雪が理由だった。深夜勤務の者(24時間勤務明け)が帰宅しようにも雪で帰れない。引き継ぐべき者が来られない、などがあちこちの店舗で発生し、已む無く48時間勤務を強いられた従業員が続出した。

  従業員の以前からの不満が一気に噴出する形で、以降、退職者が相次ぎ翌3月、遂に多くの店をクローズせざるを得ない事態となった。普通でも毎年3月は学生従業員が卒業し次のアルバイトが入る(4月?)まで、人の遣り繰りが大変苦しくなる時期だが、今年の3月は遣り繰りが出来なくなったのだ。

  昼のツーオペの時に仮眠を取るだけで、24時間勤務を1週間続けた者、深夜の客に料理を出すのが遅いと絡まれる者、深夜の防犯に強い不安を抱く者などなど、報告書に書かれた内容は、あの時代、即ち、女工哀史や蟹工船の時代を髣髴とさせる。こういう歴史は繰り返して欲しくない。

  一つだけ「すき家」を評価することがあるとすれば、会社に対してボロクソのこの報告書を、自社のサイトに載せて公表したことだろう。これが、厳しい牛丼競争に勝ち抜き、店舗拡大・収益拡大することを絶対使命とし、従業員の生活など忘れ去ったこれまでの経営姿勢を、本気で変える表れであって欲しいと願う。

8月 5, 2014   No Comments