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レコードの復権

無題

ある雑誌に、若者の間でレコードがブームになっているという記事があった。30年以上も前にレコードはCDに駆逐され、現在はネット経由で曲をダウンロードする時代だ。ウォークマンの登場以来、携帯型の音楽再生機を使う人は増える一方で、今や専用の再生装置でもなく、スマホで気楽に聴く時代である。

一方で、我が世代には、針の音と共に聴いたレコード時代の音に愛着のある人達は、今も存在し、中古レコードの流通マーケットがしっかり存在している。

レコードがCDに駆逐された時、レコード針のメーカーは苦境に立たされたが、彼等レコード・マニアの存在に支えられて、細々ながら生産を続けて来たということも知っている。序でに、ディスク・ジョッキーがレコード盤を操作して新感覚の曲に変え、会場を盛り上げたことも知っている。

しかし、今回読んだ記事は、そういう類のことではなかった。10代、20代の若者がレコードに魅かれているということなのだ。これには正直驚いた。スマホで何処でも何時でも気楽に聞けるデジタル録音の音楽でなく、持ち運びも出来ず、今より音の悪いアナログ録音のレコードを、何故わざわざ若者達が聴くのかと。

レコード大好きな若者が言う。「家の外ではスマホなどで音楽を聴くけど、家ではやはりレコードが良いです。何故かって? スマホで聞くのは手軽過ぎて心して聴くということは無いですが、レコードを家で聴く時は、コンサートと同じように自然と姿勢が改まる」のだそうだ。

スマホなどで聴くのがBGM感覚だとすれば、レコードはチケットを買ってコンサートで聴く音楽のような特別感があると言うことか。また、「レコード針のチリチリとした音が入るのが何とも心地良い」と言う若者もいた。

レコード文化が、突然、我々の世代から50歳も若い世代に引き継がれた驚き。記事には渋谷の中古レコード店で、大勢の若者達がレコード・ジャケットを捲りながら欲しいレコードを探している写真が載っていた。店の主が言うには、この1年、レコード人気が上昇していて、中古レコードの値段も前より上がっているとのことだった。

それで、僕はあることを思った。実は1年半前、大阪勤務から会社を辞めて東京に戻り再就職した息子が家族のために、僕達夫婦が以前住んでいた古い家を取り壊して家を新築することになった。

古い家は息子が生まれる前から住んでいた家だ。子供達が巣立った後は僕達夫婦だけとなったが、あちこちガタが来たので、リフォームや大規模修繕が必要になった。だが、そんな金を掛けるより、娘が以前住んでいた近くのマンションに引っ越した方が出費もなく駅に近くて便利。と言うことで、以来8年間、マンション住まいをしている。

建て替えに際して、当然古い家を取り壊さなくてはいけないが、マンションに収納したもの以外は古い家に置きっぱなしだった。それらを片付けるのに結構労力を費やした。リサイクル・ショップや古本屋に来て貰って買って貰える物は引き取って貰ったが、家具や電化製品の類は、型が古いと言って持って行かない。

捨てるにも金が掛かるからだとか言われてしまった。だが、大量の書籍とCD・レコード・子供の使っていたゲーム機などは、殆ど買い取って持って行ってくれた。下取り業者は軽トラック満載で2往復した程だから相当な量だった。金額の合計は、確か9万7千円だったと記憶している。チリも積もれば何とやらである。

残った物は粗大ゴミで出したり、大型の家具や冷蔵庫・洗濯機・空調機の類は業者に頼んで有料で引き取って貰った。その額が、これまた9万円程で、トータル費用ゼロで片付けが終わったのだった。

雑誌記事を読んでいて、その時のレコード(LP)引取り価格が、内容の如何を問わず1枚5円だったのを思い出した。20~30枚はあった。どれも繰り返し聴いた愛着のあるレコードだ。その頃に中古レコードが若者のブームになっていたら、如何な何でも5円ということはなかったろうに、と。

でも、そんなレコード達が中古店で買われて、若者の家に行って大事にされているなら、それはそれで、僕から若い世代に引き継がれたことになるのだから、とても素晴らしいことなのだ。そのことを想像したら頬が緩んで来た。世の中、旨く出来ちょる。

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