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ある新年会

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正月の3日、地元の鉄板居酒屋(マスターは鉄板バルと言うが)「ぼんのてい」の新年会に招待されて参加した。招待と言っても会費制ではあるが。午後3時からと言われていたのだが、娘と息子夫婦&孫娘2人が午前中から我が家に集まっていたこともあり、少々出遅れて30分ほど遅刻した。

既に新年会は始まっていたが、まだ人数は5人ほどで、聞けば夕方から来る人が多いとのことだ。いろいろな新潟のお酒が並んでいて飲み放題らしい。一升瓶大のワインもある。更に、様々なオードブルが皿の上に小分けされたものが一人一人に出された。その中の一つは、何と煮汁のアワビではないか。

マスターに聞いた。「これ山梨のアワビだよねぇ?」。「そうです。良くご存知ですねぇ」とマスター。それを聞いていたホーさんが「山梨のアワビって何よ? 海無いじゃん」と来た。こうやって食い付いて来てくれるからホーさん大好き。

直ぐにマスターが答えようとするから、それを制して、「それがね、山梨でも獲れるの。それも海じゃなくて山でね」と真面目に答える。「え~???」とホーさん。「木になったのをもいで獲るの」と冗談顔で答える。流石はホーさん「嘘でしょ」。「はい、嘘です」。

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そこで、山梨のアワビの由来を簡単に説明した。戦国時代に遡る。当時、甲斐の武田信玄と駿府の今川義元は同盟関係にあった。両家は交誼の証として、甲斐からは山の幸を、駿府からは海の幸を運んだ。

ところが、山の幸と違って海の幸は日持ちがしない。何日も掛けて甲斐に届けるためアワビは煮汁に入れて運んだ。それが甲府につく頃には、程よい加減に味の滲みた保存の効くアワビになったという訳だ。

今も甲府駅周辺の土産物店では、この山梨のアワビを1つ7千円から1万円くらいで売っている筈だ。高いけど、ほうとう料理の王様だから一度はご賞味あれ。これまで港町でアワビを刺身や踊り焼きで食べたことはあるが、正直、僕はこの山梨産のアワビが一番好きかも知れない。酒の肴にはもう最高なのである。

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そのオードブルの後も続々と鉄板料理が出され、メインディッシュの柔らかいジューシーなステーキで腹づつみ。食べきれないくらいだった。マスターのギター演奏もあり、常連客への感謝のイベントとは聞いていたものの、とても満足感、否、幸せ感一杯のおもてなしだった。

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